AWSはIskayPetの社内知識アシスタントを紹介しました。3カ国の業務資料を検索し、利用者の権限を反映した引用付き回答を返す構成です。 RAG基盤の管理を減らしても、資料の鮮度や権限は残る課題です。国と業務領域をまたぐ検索の混線を防ぐ設計が焦点になります。 国と言語に分散した業務資料を検索可能に AWSは10月22日、IskayPetがBedrock Managed Knowledge Basesで構築した社内アシスタントを紹介しました。同社はスペイン、ポルトガル、フランスで店舗や動物診療などを展開しています。返品手順、入社時の案内、調達などの答えは、4言語の多数のSharePoint資料に分かれていました。担当者が手動で探すため時間がかかり、古い回答や誤った情報につながる場合もありました。構成は、既存の資料を移し替える大規模な作業を避け、自然言語で照会する入口を加えます。ベクトル保存や埋め込み、取り込み処理の基盤を管理サービスへ任せることで、社内の知識を横断して使う仕組みです。AWSは構築手順と運用上の選択を説明しています。 既存のSharePointと文書の権限を再利用 検索では、利用者が閲覧できる文書だけを対象にし、意味とキーワードを組み合わせた検索を行います。取得した箇所を再順位付けしてモデルへ渡し、根拠の引用を付けて利用者の言語で回答します。資料に答えがない場合は、そのことを返すよう指示しています。利用者の評価を集め、評価集合へ戻す構成です。SharePointの連携を使うため、既存の権限を検索時にも適用できます。小売の運営、人材や入社案内、調達などが対象です。チームはKiroとClaude Haiku 4.5を使い、画面から基盤設計、配布まで構築したと説明しています。これは構築時のモデルと、検索回答に使う基盤の役割を分けて読む必要があります。国や業務領域ごとに適切な資料へ誘導することも、要件として示されています。 検索基盤の省力化と資料管理を両立させる 実務上は、RAGの管理が減っても資料の責任者や更新手順は必要です。同じ手順の異なる国向け版がある場合、単に意味が近い資料を返すだけでは誤った案内になります。国、言語、対象部門を確認し、検索結果が混ざらないかを評価することが論点になります。権限の反映についても、退職や異動、資料の共有設定の変更後に期待どおり更新されるかを試す進め方が考えられます。引用があっても古い内容を参照する可能性があるため、日付や有効な版へ戻れる設計が重要です。費用は保存と検索、回答生成を合わせ、質問の増加を含めて見積もる必要があります。利用者の反応だけで品質を判断せず、答えられない質問や検索から除外すべき資料を評価集合に含めると、管理サービスの利点と残る運用負担を比較しやすくなると見られます。現場での確認を続ける必要があります。